埋蔵文化財届出について

埋蔵文化財とは

埋蔵文化財とは、文化財保護法(昭和25年制定)では「土地に埋蔵されている文化財」とされています。よく耳にする言葉でいえば「遺構」や「遺物」のことを指します。「遺構」は貝塚や古墳、住居跡などといった人々の生活の跡、「遺物」は土器や石器、木器、金属器などの道具などをいい、これらが地下に包蔵された土地を「埋蔵文化財包蔵地」(=「遺跡」)といいます。

埋蔵文化財からはその土地の人々の生活、文化、技術、交流など様々な情報を伝える、わたしたちの祖先が残した貴重な文化遺産です。文化財保護法では、文化財が貴重な国民的財産であることを自覚し、これを公共のために大切に保存するとともに、その文化的活用に努めなければならないと定めています。

埋蔵文化財包蔵地は、現況では地表に土器片が散らばっていたりする程度で、実際にはなかなか分かりづらいのが一般的です。所在が明らかにされたもの(「周知の埋蔵文化財」といいます。)を地図上に示したものが「遺跡分布図」です。

周知の埋蔵文化財包蔵地内で土木工事等の開発行為(文化財保護法では発掘という。)を行う場合、文化財保護法により事前の届出が義務付けられています。

また、それ以外の場所での工事等の際に新たに文化財が発見された場合についても、工事を一時中断して、文化財保護法による手続きが必要となります。

埋蔵文化財の取り扱いについて

市内で開発行為を行う場合、埋蔵文化財保護のため、以下の手続きを行う必要があります。

1.埋蔵文化財の所在の有無の照会

土木工事を行う場合、その予定地内に埋蔵文化財が所在するかどうかあらかじめ遺跡分布図で確認するか、市教育委員会社会教育課に問い合わせてください。

お問い合わせの方法はこちら

しかし、埋蔵文化財は地中などに埋もれているため、その広がりや残存状況を把握しにくいことから地図上のみでその有無を判断することが困難な場合があります。また、地図上に示されていない未確認の埋蔵文化財が所在する可能性もあります。

このような場合、市教育委員会教育長宛に「埋蔵文化財の所在の有無とその取扱いについて」の照会を行ってください。(任意)

照会の様式はこちら

工事中に新たな埋蔵文化財が発見された場合、工事を中断するなど事業計画に影響を与えることも予想されます。不測の事態を避け、遺跡保存と開発事業との調整を円滑に進めるため、照会は開発計画策定後、できるだけ早い段階で行われることが望まれます。

2.現地踏査

照会が出されると、現地踏査を行います。ただし、埋蔵文化財の範囲や残存状況は地表面からの観察だけでは分からないこともあり、必要に応じて試掘調査を行うことがあります。
試掘調査とは、開発地域内に数ケ所のトレンチと呼ばれる溝を掘り、地中の状況から埋蔵文化財の有無を確認するものです。

3.回答

現地踏査等の結果から以下の回答が出されます。

(1)現状では埋蔵文化財は確認されません。
現状では埋蔵文化財は所在しないため、計画どおり工事を着手してかまいません。ただし、工事中に新たに埋蔵文化財を発見した場合は、直ちに工事を中止し、遺跡発見の届出・通知(文化財保護法96条・97条)を行わなければならないので市教育委員会に連絡してください。
(2)埋蔵文化財が所在します。
埋蔵文化財の所在が確認された場合、事業者と教育委員会との間で事業計画、施工方法、工程などを考慮して埋蔵文化財の取扱いについて具体的な協議を行う必要があります。

4.協議

事業者と教育委員会との間で埋蔵文化財の具体的な取扱いについて話し合います。
事業地内の埋蔵文化財は、計画変更等により現状保存が望まれますが、事業計画の変更が不可能な場合には、埋蔵文化財の状況と工事内容に応じた調査の取扱いを決定します。

5.発掘の届出・通知

埋蔵文化財包蔵地内での土木工事に際しては、事業者は県教育委員会宛に「埋蔵文化財発掘の届出・通知」が必要となります。
民間事業者の場合、法93条第1項の規定により工事が実施される60日前までに届出を、国の機関、地方公共団体等は法94条第1項の規定により事業計画を策定するにあたりあらかじめその旨を通知しなければなりません。

「埋蔵文化財の発掘の届出・通知」の様式はこちら

届出は正本1部、副本1部の合計2部を市教育委員会に提出してください。県教育委員会には市教育委員会から送付します。

6.指示内容

発掘の届出・通知に対し、県教育委員会から埋蔵文化財の取扱いの指示が出されます。

(1)発掘調査
工事による掘削が埋蔵文化財に及ぶ場合や恒久的な建築物、道路などを設置する場合には、工事着手以前に発掘調査を行う必要があります。これは、滅失する埋蔵文化財について記録保存するために行うものです。
(2)工事立会
工事による掘削が埋蔵文化財への影響が軽微な場合には、工事の実施に際して教育委員会の埋蔵文化財専門職員が立ち会い、必要に応じて減失する埋蔵文化財の記録保存を行います。
(3)慎重工事
工事による掘削が盛土等の範囲内におさまるなど埋蔵文化財に影響を与えないと考えられる場合に出される指示です。埋蔵文化財に影響を与えないよう慎重に工事を進めてください。
(4)現状保存等
計画の変更等により工事区域内において埋蔵文化財の保存が可能な場合には、現状保存の取扱いとなります。埋蔵文化財に影響を及ぼさないように慎重に工事を進めてください。

7.発掘調査の実施

発掘調査は、事業者から教育委員会または民間の調査組織に委託して行われるのが一般的です。発掘調査の費用は原則的に事業者(=原因者)が負担することになっています。ただし、原因者が個人、零細事業者の場合には国庫補助制度等があります。
発掘終了後は工事着手となりますが、極めて重要な埋蔵文化財が発見された場合はその取扱いについて再度協議が必要となる場合もあります。

埋蔵文化財に関する手続きの流れ

遺跡を発見した場合

「周知の埋蔵文化財包蔵地」以外の土地で、土器等が出土して新たに遺跡であると思われたときは、直ちに教育委員会社会教育課に届出てください(文化財保護法第96条)。

この場合、当該地の取り扱いについて、指示を出しますからそれに従ってください。
また、出土遺物の分析等から極めて重要な遺跡と判断された場合には、聴聞を経て、一定の期間、現状を変更することが禁止される場合もあります。

津島市埋蔵文化財包蔵地一覧

遺跡名 種別 所在地 時代
牧野遺跡 散布地 牧野町 弥生~鎌倉
寺野廃寺(新光寺跡) 寺院跡 寺野町 白鳳
寺野遺跡 散布地 寺野町 弥生~江戸
蛭間遺跡 散布地 蛭間町 弥生~室町
宇治遺跡 散布地 宇治町 古墳~室町
観音堂遺跡 散布地 宇治町 古墳~江戸
亀田遺跡 散布地 宇治町 平安~室町
旭羊毛構内遺跡 散布地 宇治町 平安~室町
持竿遺跡(陶塔出土地) 散布地 神守町 平安
大木遺跡 散布地 大木町 古墳~室町
元屋敷遺跡 集落跡 神守町 弥生~鎌倉
光正寺遺跡 散布地 光正寺町 弥生~室町
越津古墳 古 墳 越津町 古墳
大坪遺跡 散布地 大坪町 古墳
中一色遺跡 散布地 中一色町 鎌倉~江戸
観音町B遺跡 散布地 観音町 古墳~江戸
観音町A遺跡 寺院跡 観音町
本町2丁目遺跡 散布地 本町2丁目 平安~鎌倉
今市場遺跡 散布地 今市場町1丁目 鎌倉
埋田遺跡 散布地 埋田町3丁目 弥生~鎌倉
深坪遺跡 集落跡 深坪町 鎌倉~室町
南本町遺跡 散布地 南本町3丁目 古墳中期
愛宕遺跡 散布地 愛宕町5丁目 鎌倉~室町
橘町遺跡 散布地 橘町1丁目 古墳中期
本町5丁目遺跡 集落跡 本町5丁目 中世~近世
本町3丁目遺跡 集落跡 本町3丁目 中世~近世
杁前町2丁目遺跡 散布地 杁前町2丁目 中世
杁前町3丁目遺跡 散布地 杁前町3丁目 中世
愛宕町4丁目遺跡 散布地 愛宕町4丁目 中世
蔵掛堂遺跡 散布地 蛭間町 古墳~近世
神守元屋敷遺跡 散布地 神守町 古代~中世
郷前遺跡 散布地 大木町 中世
津島神社境内地遺跡 社寺跡 神明町 近世

埋蔵文化財の手続きの様式ダウンロード

1. 埋蔵文化財の所在の有無及びその取扱いについて(照会)(別様式3)(Word形式 31KB)

2. 埋蔵文化財発掘の届出(93条・94条)(様式2-1、2-2)(Word形式 19KB)

3. 埋蔵文化財発掘の届出(93条・94条)(様式2-1、2-2)別記(Word形式 19KB)

4. 埋蔵文化財発掘の届出(93条・94条)(記入例)(Word形式 58KB)

お問合せ

埋蔵文化財についてのお問合せ、照会・届出文書の提出は津島市教育委員会 社会教育課 生涯学習グループへお願いいたします。
包蔵地に該当するか否か等のお問合せは、住所地番と地図を明示したFAXでも受け付けております。                 

津島市教育委員会
社会教育課 生涯学習グループ
メールアドレス(共通) shakyo@city.tsushima.lg.jp
電話0567-24-1111(内線2283)
FAX 0567-25-8748

津島市役所
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